ぶつかり合いを卒業。対話ができる夫婦になるために必要だったこと【前編】私ばっかり!に苦しんだ過去と、ふたりの転機|フタリノコト
~WEBラジオ「フタリノコト」は、普段あまり聞けない夫婦やカップルの間のことをセキララにお話しする番組です。
100組、100通りの答えがある「フタリノコト」について、ゲストの方のリアルストーリーを深掘りすることで、世の中の正解じゃなく「ふたりのこたえ」を見つけるヒントになるような情報をお届けしていきたいと思っております。
パーソナリティは、フタリノ代表のしみぃでお送りします。
しみぃ: 本日は、離婚危機を乗り越えて、今ではお互いを深く理解しあえる最高のパートナーになれたというご夫婦のお話をうかがいます。私が本当に素敵だなと思っている出会って10年のご夫婦なんですが、2人のターニングポイントや、対話ができる関係性をどのように築いたのかというお話を詳しく聞いてみようと思います。ゲストの梅ちゃんです、よろしくお願いします。
梅ちゃん: よろしくお願いします。
しみぃ: 簡単な自己紹介をお願いしてもよろしいでしょうか。
梅ちゃん:はい、私は今29歳で、夫とは付き合って10年で結婚して2年になります。大学の軽音楽部で出会ったんですが、彼がギターを弾いているところに一目惚れして猛アタックしました。18歳の時からお付き合いをして、同じバンドをしたり音楽活動をしながら、友達兼恋人兼家族のような感じで大学でもずっと一緒にいました。
社会人になってバンド活動を本格的に始めたり、仕事も頑張ったり色々あったんですが、8年目に結婚しました。1年後に子どもが生まれて、1人男の子がいます。子どもが生まれたことで一気に環境が変わり、兵庫県尼崎市から養父市に引っ越しました。今はのびのび楽しく過ごしてます。
「はじめての共同作業」ですれ違い
しみぃ: ありがとうございます。おふたりは交際当初はどんなカップルだったんですか?
梅ちゃん:私の方が大好きという感じで、彼はクールな感じでした。音楽という共通の趣味があるので仲良くはしていたんですが、楽しい時もありつつ、最初はコミュニケーションの部分ですれ違いも多かったと思います。
たくさんおしゃべりがしたかったので、彼にもっと話をしてほしいと伝えていくうちに、だんだんと対話をすることができるようになっていった感じです。
ただ、社会人になって音楽活動を本格的に始めるようになり2人暮らしが始まると、またすれ違いが増えてしまいました。2人で真剣に取り組んでいた音楽活動のことで意見が合わないことが増えたのが原因です。
その頃の私は、彼のことを「どんくさい」とか「マイペースやな」とか、今思えばひどいんですけど、上から目線で見ていました。「なんでこんな簡単なこともできひんのやろ」「全然分かってないんちゃうかな」なんて、毎日ちょっとずつストレスを溜めていましたね。
しみぃ: 一般的には「はじめての共同作業」が結婚式の準備や妊活になることが多くて、価値観の違いや意見のぶつかり合いで喧嘩になったりしますよね。梅ちゃん夫婦の場合は、それが音楽活動だったんですね。そこから離婚危機まで進んでしまった状況や、その時の気持ちを教えてください。
梅ちゃん: 音楽活動のことになると、私が一方的に怒ったりイライラしていることが多くて、結果が出ないことを彼のせいにしていることがほとんどでした。八つ当たりで彼に文句ばかり言ってしまっていたんですよね。それでも彼は、私の話をいつもじっと聞いてくれていました。
しみぃ: 受け止めてくれていたんですね。
夫の涙の訴え、別れの危機
梅ちゃん: そんな日々のなかストレスが溜まりにたまって「どうしてうまくいかないんだろう」「こんなに頑張ってるのに」と、めちゃくちゃしんどくなった時期がありました。どうにもならない思いがマックスで、身体も心もボロボロで、彼も限界がきていたんでしょうね。
ある日、泣きながら彼にキレられました。今でも覚えていますが「僕って必要なんか?」って。
「今みたいな状況が続くんやったら、もう違う人とやってほしい。」「僕が梅ちゃんに何かしてほしいとか、こうしろとか言ったことある?頑張っても怒られるし、話してても緊張するし、そんな気持ちで音楽やっても楽しくない。これが分からんのやったら、もう限界やから家から出て行って」って言われたんです。
なんかもう、頭の中がシーン…っとして、何も考えられなくなりました。
しみぃ: 当時の梅ちゃんは、具体的に何を焦っていたんですか?
梅ちゃん: そうですね、売れたいとか、もっと人に音楽を聞いてもらいたいとか…。思うように自分の表現をしたいけどカッコよくできなくて、頑張ってやったことが数やお金の成果に繋がっていかないことに焦っていましたね。
本気で頑張りたいし今後の未来も考えているのに、全然うまくいかなくて。どうしたらいいの?って、一人でジタバタしている状態でした。
しみぃ: 趣味の域を超えて、仕事にしていこうと覚悟のうえでやっていた活動で、こんなに頑張っているのにうまくいかない。なんで言ったことをやらないの、あなたの頑張りが足りないんじゃない、とイライラが相手に向かってしまったんですね。
梅ちゃん: そうですね。夫の急な訴えに、それまですごく我慢していたんだろうなって思いました。
カッコつけていた自分を見つめ直す
しみぃ: 旦那さんの振り絞るような訴えを受けて、梅ちゃんはどのように感じましたか?
梅ちゃん: もちろん「ごめん」とは思ったんですが、しばらくは「なんで?私が悪いん?こんなに頑張ってるのに」「あなたのために私が考えて頑張ってるし、私が動かないと何も進まへんやん」と思ってましたね。彼から言われたことに対して、ちゃんと腑に落ちてなかったです。
でも大切な彼にあんなことを言わせたのは悪かったなと、ずっと考えていました。
しみぃ: 梅ちゃんたちは音楽活動で関係が悪くなってしまったけど、こういうぶつかり合いって色々なシーンで日常的にある話ですよね。
梅ちゃん: そうですよね、結婚にしろ妊活にしろ2人で何か一緒にするときには、絶対にすれ違いとか色々とあると思います。
しみぃ: 目的は一緒のはずなのに、2人とも良かれと思ってやっていることがすれ違ったり、発言がぶつかってしまうことって、往々にしてありますよね。
梅ちゃんはその後、自分の感情と旦那さんの発言について、どのように折り合いをつけたんですか?
梅ちゃん: 自分が今しんどいとか楽しくないってことを、心の奥では気付いていたんだと思います。でもそれを認めたくなかった。努力している姿や失敗している姿を誰にも見られたくないとか、うまくいってないことを認めたくないとか、とにかくカッコつけてたんですよ。
そんな状況に自分自身も辛くなってて。そのしんどさを、彼に鏡になってもらいながらひたすら対話しました。自分の過去や家庭環境、どうやって育ってきたか、何が正解と思っているか、何を決めつけてとらえていたか、そういうことを対話しながら深堀りしていくうちに、自分のことを客観的に見れるようになっていきました。
しみぃ: へぇ!そんな爆発があったらお互いめっちゃ気まずくなると思うんですが、そこから向き合って話し合おうとするのがすごいですね。
梅ちゃん: 喧嘩したら必ずその日のうちに仲直りしようっていうルールがあったので、頑張って向き合えたんだと思います(笑)
しみぃ: 大事ですね!そこでさよならってこともあり得たんですか?
梅ちゃん: いや、さよならってとこまでは考えていませんでした。多分そこまで言わないと分かってもらえないと思われていたんでしょうね。言いたくないことを言わせてしまったなと思いますけど、だからこそ私にも響いたんですよね。
しみぃ: なるほど。そこからは、自分で自分を見つめなおすというよりは、旦那さんに壁打ち相手になってもらいながら、自分の本音に出会っていったんですね。
梅ちゃん: ほんとそうですね。自分自身のことを自分で「なんでやろ」って考えることもよくありましたが、私が見えていない予期せぬ方向からいろんな視点で物事を言ってくれることがすごく自分のためになりました。一緒に色々考えたり、話を受け止めてもらう役を夫にしてもらうことで冷静になっていったんです。
夫の一言で人生がひっくり返った
しみぃ: その過程で梅ちゃん自身も自分のことに気付けるし、旦那さんも梅ちゃんの言動の背景がわかって、お互いに理解が深まりますよね。この出来事は2人にとっては大きなターニングポイントだったと思いますが、とはいえ人間すぐに変わるのは難しいんじゃないかとも思っています。その後はどうなっていきましたか?
梅ちゃん: 対話をずっと続けていたある日、夫が「自分が思ってることと反対のことを考えてみたら?」という風に言ってくれた時があったんです。それまで、自分は頑張れば何でも出来ると思って生きてきたところがありましたが、その一言がきっかけで、自分は一人では何もできないということを初めて自覚しました。
そう思った時から、今まで自分が抱えてきた思い鎖のようなものがバーン!と外れた感じがして、急に肩の荷が下りて自分を許せたんです。そこからコロっと、今までの固定概念みたいなものがひっくり返りました。
しみぃ: 全力で頑張ることも大事ですが、それだけではどうにもならない部分もありますよね。
梅ちゃん: そうそう、頑張らないと駄目だという気持ちをほどいていってくれました。自分が頑張れているのは彼がいてくれたから、彼が受け止めてくれたから頑張らせてもらってたんだ、ということにやっと気付けたんです。そんな当たり前のことに、きちんと感謝できていませんでした。
しみぃ: ようやく、一人だけ頑張っているわけじゃなかったということに気付けたんですね。その呪縛から抜け出すことができて、楽になりましたか?
梅ちゃん: 楽になったし、反省しました。「今までごめんね」「今までありがとう」その気持ちしかなかったです。人生がひっくり返りました。
しみぃ: それに気付けて良かったし、その気持ちがベースにあるかないかで2人の関係は全然違ってきますよね。素敵です!
まだまだお聞きしたいことがありますが、前編はここまで。後編では、今振り返って思う、梅ちゃん夫婦にとって必要だったことについてより詳しく伺いたいと思います。
フタリノコトでは、ご夫婦の人生の転機や課題を乗り越えたストーリーをお話ししてくださるゲストの方を募集しています。
- ずっと悩んでいたことに、解決の兆しが見えた気がする
- 過去の自分に、今ならこんな言葉をかけたい
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