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セックスレス・妻だけEDに向き合う夫の心境。関係改善の過程で大切だったこと|フタリノコト

~WEBラジオ「フタリノコト」は、普段あまり聞けない夫婦やカップルの間のことをセキララにお話しする番組です。
100組、100通りの答えがある「フタリノコト」について、ゲストの方のリアルストーリーを深掘りすることで、世の中の正解じゃなく「ふたりのこたえ」を見つけるヒントになるような情報をお届けしていきたいと思っております。
パーソナリティは、フタリノ代表のしみぃでお送りします。


前編に引き続き、奥様との3年間のセックスレスを解消されたりんさんにお話をうかがっていきます。りんさんの自己紹介や、奥様から離婚を告げられた当時のエピソードは前編でお話していますので、ぜひご視聴ください。

 

男性目線で語られるセックスレス問題の少なさ


しみぃ: 本日は、元々あまり性欲がないりんさんがレス解消に歩み寄るまでの経緯や、葛藤という部分をさらに詳しくお聞きしたいと思います。
まずは、今日にいたるまでに一番辛かったことを教えていただいてもよろしいですか。

りんさん: 一番辛かったことは、セックスレスの問題が離婚寸前までに発展している状況を突きつけられたことです。その当時はすでに夫婦の間には大きな溝があり、お互いの顔を見るのも嫌な状況でした。非常にピリピリした中でカウンセリングを受けたり、改善に着手するというのは、精神的に辛くどん底の時期でしたね。

しみぃ: その間はほとんど会話もなかったんでしょうか。

りんさん: そうですね、自分の部屋にこもって、顔を合わせても挨拶もしないみたいな。 挨拶しようと思っても、向こうがピリピリしているからやめとこう、というような状況でした。

しみぃ: そんな状態から、改善のために向き合おうとするのは、本当にすごいことですよね。 セックスレスを改善するにあたって、りんさんはAGAの治療も中断されたとお聞きしました。それについての葛藤はありましたか?

りんさん: AGAというのは髪が薄くなってくる症状なんですが、自分で気になって始めたことなので、辞めることについてはイヤだったというのが正直な気持ちです。
ただ、女性は年齢的に出産を意識するタイミングや、リミットがある中で、レスという問題は自分だけの問題ではありません。自分のことよりも妻のことを優先に考えるべきだろうと考えて、治療は一時中断することにしました。

しみぃ: AGAはホルモン治療だから性欲減退につながるという話でしたね。

りんさん: 私の場合は元々性欲があまり強くないので、それがさらにマイナス方向に行ってしまったという感じでしょうか。

しみぃ: それなら今はいったん妻と向き合うことを優先して、治療は中断しようと決断されたわけですね。セックスレスという問題に向き合うにあたって、不安なことやモヤモヤすることはありましたか?

りんさん: セックスレスに関する書籍や漫画などを見ると、どうしても女性目線で語られることが多くて、男性はその原因を作り出しているとか加害者的に描かれていることが多く、そのあたりがモヤモヤしました。セックスレスってお互いに原因があると思うので、男性の気持ちも組み取ったうえでレスについて話し合えればもっと良かったですね。

しみぃ: たしかに、レスって女性側が問題意識を持って語り出すパターンが多いですね。

りんさん: やはり出産というところと、女性は女性として見られたいという気持ちが強いと思うので、女性に主軸がいくのは仕方がないかなと思います。
あとは、男性は自分のモヤモヤを口に出して話す人がそんなに多くないので、対外的に男性目線で語られる機会が少ないのかなと思っています。

実は珍しくない「妻だけED」

しみぃ: そうですね、男性側に原因があるというより、ちょっとしたきっかけや色々なことの積み重ねで問題が大きくなっていくんですよね。
前回の奥様のお話に「妻だけED」という言葉が出てきましたが、ご自身はどう受け止めておられたのかをお聞かせいただけますか。

りんさん: 実は私自身も「妻だけED」だろうという風には感じていたので、妻からそのことを言われた時も特に驚きはありませんでした。妻を傷つけたり悪者にする意図はまったくないんですが、過去の妻の言動がトラウマになっていたんです。夫婦喧嘩の時に妻が発した個人を否定するような発言から、妻をパートナーとか性の対象として見れなくなってしまったんです。

しみぃ: 奥さんからするとそこまで傷つける意図はなかったけど、感情のままに発してしまった言葉が、りんさんにとっては心に突き刺さるきつい言葉だったということですね。
まさか原因がそれだったとは、ということも奥さんはおっしゃってました。ちゃんと話してみないと何が最初のきっかけだったのかなんて分からないですよね。

りんさん: 日々生活する中で、大なり小なり不満はあると思うんですけど、許容できないような不満は自分の中にため込まずに夫婦間でちゃんと言葉にして、対話して解決するというのがやっぱり大事だなと思います。
そのまま時が過ぎてしまうと色々な問題が積み重なりすぎて、個々の課題に対して解決する方法が分からなくなってしまいます。何か感じたらその場で話し合って、1つ1つ原因を潰していくということが必要なんだと思います。

しみぃ: そうしないと、感情が爆発したときに相手を傷つけてしまうことがあるってことですね。

りんさん: 怒りで溢れた感情は、大きなナイフのような形で心に突き刺さることがあります。そうなる手前で留めておけば、切れ味の悪いカッターくらいのレベルで収まるかもしれないですが。負の感情を溜め込む前に、対話で解決をするということが大事だと思います。

しみぃ: お話を聞いていて、私も心が痛いというか、もう心当たりしかないです…。
「妻だけED」については根深い問題ですぐに解決できる問題でもないかと思いますが、現状はどのように受け止められていますか。

りんさん: 私もすぐ解決するものではないと思っています。今、セックスレスが本質的に解消したかというと、薬の力を借りてできたことなので、まだその道半ばにいると感じています。
時間をかけてこういう状態になってしまったので、急に改善するのはなかなか難しいです。マラソンのような形で少しずつ無理のない範囲で、解決に向けて走っていくことが大事だと思います。

しみぃ: 今はやっと、改善に向けたスタート地点に立ったという感じですね。

りんさん: はい、一度できたからといってそれに満足はせず、継続するための努力が必要ですね。そういった努力も思いやりの一つだと考えています。

しみぃ: 努力が思いやりの一つ、めっちゃ刺さりました。素晴らしい!
お話を聞いていて、そこに向き合い続けるという努力が本当にすごいなと思いました。

りんさん: 自分たちだけの問題という風に考えがちなんですが、世の中的にみると「妻だけED」というのはケースとして多々存在しているそうです。薬を使うのも手段の一つで、関係が改善するパターンもあります。
恥ずかしいことではないということを認識した上で、外部の手段に頼るのがとても有効なことだと思います。

 

お互いのバランス感覚を把握する大切さ

しみぃ: なるほど、ありがとうございます。
ちなみに「妻だけED」は妻を性の対象として見ることができない状態ですが、結婚生活はそれでも続けられているわけで、そのバランス感覚というのはどういった感じなんでしょうか。

りんさん: あくまで僕の場合なんですが、セックスはなくても愛情自体はあります。性は結婚生活の一部として存在していて、僕はその重要性がかなり低いと。だからそこが欠けたとしても全体の結婚生活のバランスが崩れるものではありませんでした。
ただ、妻はセックスの重要度が大きいので、2人の間のバランスが崩れて最終的には離婚の話が出るところまでいったわけです。夫婦であっても、そのバランス感覚は個人で全く違うので、2人のバランス加減をちゃんと確かめることが大事だと思います。

しみぃ: 結婚生活の中でセックスが占めるウエイトが全然違ったから、問題が浮き彫りになってきたんですね。

りんさん: 例えば、私が10%だとしたら、相手は90%あり、大きくバランスが違いますので、その辺はしっかり話し合った方がいいですね。

しみぃ: 確かに10%だったら、セックスがなくても残り90%で愛情表現をしたり受け取ってるつもりでいたら、問題にはならないですもんね。

りんさん: 逆に言うと、90%の人が10%を受け取ったって、大したことにはならないのですれ違いが起きますよね。自分としては10%の部分を頑張ってはいるけど、相手は100あるうちの10しか響かない状態になるので、そこの割合をしっかり把握した方がいいですよね。

しみぃ: いや~面白い。面白いって言ったら失礼かもしれませんが、言語化するとそういうことなんだというのがリアルに勉強になります。りんさん夫妻は2人で話し合いをしながら問題に向き合ってきたわけですが、その過程で夫婦にとって一番大切なことはなんですか。

りんさん: お互いに感じていること、不満に思っていることを言葉として相手に伝えて、それを2人で共有することですね。
あとは、相手を責めずにどうしたら改善できるかというのを建設的に考えることです。その時に当人同士だけで解決しようとすると視野が狭くなったり喧嘩に発展してしまったりするリスクもあるので、カウンセリングなどを活用して第三者の力を借りるのが非常に有効だと実感しています。

 

「会話」と「対話」の違いを理解する

しみぃ: りんさんは元々セックスレスに対する課題意識がなかったとおっしゃっていたので、問題に向き合う過程は苦しいこともあったと思います。夫婦で問題に向き合った期間を経て、今思うことはありますか?

りんさん: そうですね、良かったか悪かったかで言うと良かったです。
お互いがしっかり向き合うことの大切さを学べました。そして夫婦であっても、育ってきた環境が全く違う個人であって、価値観や考え方が違うのは当たり前なんだということを改めて実感しました。
相手を受け入れ改善できるところは改善していく、その努力の積み重ねが夫婦生活を円滑にするうえで非常に重要だと身をもって知れたことがとてもよかったです。

しみぃ: セックスレスの解消以外にも、この1年で夫婦としてのコミュニケーションが大きく変わり、関係性が前進したというのがポジティブな変化だったんですね。
最後の質問になりますが、過去に悩んでいた自分に何か伝えられるとしたら、どんなことを伝えたいですか?

りんさん: 不満に感じたことは先延ばしにせず、相手と対話して解決を模索しようと伝えたいです。セックスレスや夫婦関係の悪化は、コミュニケーション不足が大きく関係しています。日常生活の夫婦の会話ってこれがおいしかったとかこれが良かったとか、表面上の会話になることが多いと思いますが、もっと本質的な対話を日常の中でもパートナーとしていくことが大切だと伝えます。

しみぃ: とても深いですね。日常生活の中にある会話と、本音の部分や問題に向き合う本質的な対話って全然違いますもんね。

りんさん: 会話と対話って言葉は似てるんですけど、やっぱ違うんだなっていうのはすごい実感してます。

しみぃ: 本当にそうですね。今日お話をうかがって、夫婦それぞれの事情や家庭環境、愛情の捉え方は人それぞれで、セックスレスという1つの問題でも深堀りしていくと背景に様々な事情が隠れているんだということが分かりました。
そこで他人の成功事例を取り入れるのではなく、2人で根気強く話し合って向き合う努力をするというのが、かなり大変だけど大事なことだという風に思いました。
りんさん、本日は本当に貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました。

 

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